#17 ミドリカッコウ

育児放棄? いえ、種の保存への知恵と呼んでください



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ミドリカッコウ
African Emerald Cuckoo
(Chrysococcyx cupreus)

Photo by 秋山知伸さん
秋山さんの素敵な動物たちの写真をもっと見る (Wildlife Japan)


ミドリカッコウは
ウガンダのどこで見られるの?

ミドリカッコウはウガンダ国内のいろんな森で見かけられます。
今日もどこかで卵を他の鳥にあずけているかも、、、。



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#17 ミドリカッコウ



こんにちは NFA バードポッドキャスト、アフリカ、ウガンダから田中加奈子がお伝えします。

今日ご紹介するウガンダの鳥はミドリカッコウです。

こんにちは NFA バードポッドキャスト、アフリカ、ウガンダから田中加奈子がお伝えします。
今日ご紹介するウガンダの鳥はミドリカッコウです。

この鳥はカッコウと名前がついていますが、カッコウとは鳴きません。
鳥のガイドのジョニーは「hello hello george」と聞こえると言っています。
どんなんでしょうね、さっそく聞いてみてください。

hello hello George
たしかにそう言われるとそんなふうに聞こえます。
何はともあれ、かわいい鳴き声ですよね。

カッコウ科の鳥は16種類もウガンダで観察されています。この中には日本のカッコウと同じ属のものが5種類もいて識別が難しいんです。図鑑で見比べると間違い探しやってる気分になります。
しかしこのミドリカッコウは、テリカッコウ属という仲間に含まれていてウガンダで見られる中でも一番カラフルなんです。
頭からお尻にかけての緑色、おなかの黄色がとても鮮やかですが、カッコウらしさも忘れておらず、尾羽と羽を広げた時の内側に縞模様が見られます。

カッコウというと托卵といって、他の鳥に子育てをまかせるものがいます。
このミドリカッコウもその一つです。
托す卵と書いて托卵といいまして、卵を産んだほかのペアの巣の様子を遠くからうかがい、親鳥が留守にしているのを見計らって、その巣に早業で卵を産み落として、そのペアに子育てしてもらうことをいいます。この、ほかのペアというのは、同じ種類の鳥の場合もあれば、違う種類の鳥ということもあります。
違う種類の場合はうまくだませるように、卵の色や大きさが似ている鳥だったりします。

これってちまたで良く聞くニグレクト、育児放棄かい?と思ってしまいますが、
親が親なら子も子なんです。
たいてい、托卵された卵のほうが、もともと産んであった卵よりもはやく孵ります。
ふ化したヒナは攻撃的で、ほかの卵を巣の外へ押し出して、さらにもともとのヒナの声を真似て、エサを催促したりするんです。
育ての親は、自分のヒナだと思い込んでせっせとエサをはこぶんです。
童話のあかずきんちゃんに出てくるオオカミみたいですよね。
カッコウの仲間のうち3分の1以上はこの托卵をすることで知られているんですね。

この托卵、鳥のほかにも、魚類や昆虫にも托卵する生き物がいます。
これにはしっかりメリットがあって、子育てを他に委託することで、時間が出来てより多く卵を産むことができたり、卵を1カ所にまとめて産むのではなく、別々の場所に生むことで、自分の子孫が敵に襲われて全滅してしまう確立を少なくしているわけなんです。
カッコウにしてみると、育児放棄というより、要領がいいと言ってくれといったところでしょうか。

カッコウが托卵をする理由としては、きちんと証明されているわけではありませんが、体温の変動が激しいので、ほかの鳥に卵を温めてもらった方が、孵化しやすいからということも言われています。


それでもやっぱりヒドイ話だなと思ってしまうのはわたしだけでしょうか。
卵を産んだあと、自分のこどもの成長を、ヒューマンドラマっぽくどこかで見ていたりするのかなあ?なんて考えてしまいます。

以上、今回は、ミドリカッコウをご紹介しました。

NFAバードポッドキャスト、この番組はNational Forestry Authority と Nature Ugandaの協力でお伝えしました。

参考資料 
Bird of East Africa (Book), 
IUCN Red Data website,
Orinothorogy -Frank Bgill-(Book)