#16 タンバリンバト


ミルクも出せるよ、ウガンダの育メン?


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タンバリンバト
Tanbourine dove
(Turtur tympanistria)

Photo by Ian Fultonさん
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タンバリンバトは
ウガンダのどこで見られるの?

タンバリンバトはウガンダ国内のいろんな森で見かけられます。
地面を歩いてえさを探している姿がかわいいんです。



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#16 タンバリンバト

こんにちは NFA バードポッドキャスト、アフリカ、ウガンダから田中加奈子がお伝えします。
今日ご紹介するウガンダの鳥はタンバリンバトです。

うーん、これ、ハトだということが分かっていても、鳥というよりは、楽器の音みたいですよね。
わたし、体調悪いときこんな感じで鼻が鳴ることがあります。

ハト科って世界に321種類もいまして、そのうち21種類がウガンダでは観察されています。タンバリンバトは中央アフリカの広い範囲に分布していて、ウガンダ国内でも森があるところならどこでも比較的簡単に見られます。

今日はまず英語の疑問から、、
タンバリンバトの場合、英語だとtabourine doveというんですが、
図鑑を見ていると同じハトでもPegionと名のつくものもいて、doveとpigeonの違いってなんだろ?って思ってしまうんですが、これは、何か科学的な理由で、呼び方が違うということではないそうなんです。
ネイティブスピーカーの研究者は、大きいとpegionで、小さいのはdoveかなあというんですね。
実際、ウガンダのハトを図鑑で調べると、30cm前後のがpegion, 20cm前後のはdove となっていたのでまんざらでもないのかと思いましたが、日本によくいるカワラバトは 30cmぐらいなんですが、rock pegionともrock doveとも呼ばれているようで、結局のところよくわかりません。
他のネイティブスピーカーからは、飼育下のをpegion, 野生のをdoveと区別するなんて意見もありました。

ハト科の鳥というとミルクを与えてヒナを育てることで知られています。
これを素嚢(そのう)乳といいます。
素嚢というのは、鳥の体の一部で、えさを一時的に保管しておける部分で、これがあることで、えさを取りにいく頻度を減らすことができ、天敵から身を守ることができるんです。
ただし、すべての鳥が持っているものではありません。
この素嚢の内壁から分泌される液体を素嚢乳と呼んでいて、タンパク質と脂肪分が牛乳や人間の母乳よりもうんと高い、栄養たっぷりのミルクなんです。
人間とちがって、オスも、メスと同様にこのミルクを作れるんです。これをヒナに2週間ぐらいあたえて育てます。おちちがあるわけではないので、ヒナがくちばしを親鳥の口に突っ込んで分泌される液体をするんですね。
ヒナの時期は、虫とか、固い植物の種なんかは食べられないので、このミルクでタンパク質を補う、ということなんですね。
ハトのほかにも、フラミンゴや皇帝ペンギンも素嚢乳を与えてヒナを育てるんだそうです。
フラミンゴのミルクは赤いらしいんです。羽毛を染める赤い色素カンタキサンチンが含まれているからなんですね。

こんな話になると、いったいどんな味なんだろ、飲みくらべてみたいと思ってしまいます。

以上、今回は、お父さんもミルクで子育て、タンバリンバトをご紹介しました。

NFAバードポッドキャスト、この番組はNational Forestry Authority と Nature Ugandaの協力でお伝えしました。

参考資料 Bird of East Africa (Book), 
IUCN Red Data website,
The Birder's Handbook stanford(Paul Ehrlich, David Dobkin, and Darryl Wheye. 1988. Simon and Schuster, New York)