カンムリコサイチョウ
Crowned Hornbill
(Tockus alboterminatus)
この写真はひとりぼっちですが、だいたいいつもペアでいるのを見かけます。
くちばしの突起を支えるため、脊椎がほかの鳥より上部にできているそうです。
カンムリコサイチョウは
ウガンダのどこにいる?
この鳥は、森と草原などの境界線で見られる事が多いです。
スクリプトを読む↓
こんにちは、NFAバードポッドキャスト、アフリカ、ウガンダから田中加奈子がお伝えします。この番組では毎回面白エピソードとともにウガンダで見られる野鳥を紹介していきます。
きょうご紹介するウガンダの鳥は、カンムリコサイチョウです。
ウガンダの森へ散歩に行くと、ちょうど入り口付近で、こういう大きな鳴き声とともに、わっさわっさと羽ばたく、大きなシルエットを見かけます。あのでっかいの、なんだろう?って見あげると、だいたいいつもペアでいるんです。すぐ見つけられるので、バードウォッチングを始めたばかりの人にはありがたい鳥ですね。
今日聞いていただいたのはカンムリコサイチョウといいます。
名前のとおりですがサイチョウ科に属します。サイチョウ科の鳥は、アフリカに21種類、アジアに31種類の合計52種類いまして、、ウガンダにはそのうち16種類が住んでいて、ここのカンムリコサイチョウは、嘴の先から尾の先端まで が55cmぐらいということで、ウガンダにいるサイチョウ科の鳥としては、中ぐらいの大きさです。
サイチョウというのは、サイの角のような突起物をもっている鳥、ということでその名がついたそうです。実際、嘴の付け根に、大きさは種類によって異なりますが、カスクと呼ばれる盛り上がった部分があります。この盛り上がった部分、中はへちまのような空洞になっていて、一説には、この部分が鳴き声を大きく響かせる役割を持っているのでは?なんて言われたりもしていますが、ほんとうの役割はよくわかりません。だいたいオスのほうが大きいカスクを持っているのでオスメスはそこで区別できます。
カンムリコサイチョウは子育ての様子が面白いんです。メスは樹洞に巣をつくって、入口に食べ物がかろうじて入るぐらいのスペースを残して、ヒナが巣立つまで、だいたい3週間ぐらい閉じこもります。閉じこもっている間、だんなさんがせっせとエサを運ぶわけですが、若い鳥がこれに協力してエサを運んでいるのも観察されています。
ところで、この鳥と見た目がすごく似ている、オオハシという鳥が中南米にいますが、それとは関係ないのかな?ってわたしは気になっていたんですけど、どうやら全然関係ないようです。サイチョウはブッポウソウ目、オオハシはキツツキ目と、全く別ものと分類されています。
ところが、全く別の系統と分類されていても、同じ様な住環境とか食べ物で暮らしていると、体の特徴が似たように進化してくることがあるんですね。これは収斂進化と言うそうです。要するに、このサイチョウとオオハシはともに熱帯に住んでいてい、木の実を食べたりして同じ様な暮らしをしてきたわけで、だから、体の特徴が似て来たということなんですね。
他に例をあげると、魚類のサメと哺乳類のイルカなんかがそれにあたるそうなんです。
人間でも、そういうのありそうですよね!
以上、今回はカンムリコサイチョウをご紹介しました。次回をお楽しみに。
NFA バードポッドキャスト、この番組はNational Forestry Authority Uganda とNature Ugandaの協力でお伝えしました。